親知らず
親知らずについて

親知らずとは
大人の奥歯の中で最も奥に生えてくる歯です。第三大臼歯、智歯とも呼ばれます。親元を離れてから生えることが多いため親が生える時期を知らないという意味で「親知らず」と呼ばれています。
何歳くらいで生えてくるか
個人差はありますが15歳〜20歳前後です。遅い方は60代以降で生えてくる方もおられます。
生えてくるときの痛み
生える方向が重要です。顎の発達がしっかりしており、まっすぐ生えてくる方は痛みはほぼありません。問題は斜めに生えてしまったり、歯ぐきが一部被ってしまっている場合です。歯ぐきに隠れている部分は汚れが溜まりやすく炎症を引き起こすため痛みが出やすいです。
唾を飲み込んだ時に痛みがある場合は要注意です(嚥下痛)。腫れが内側の喉の方へ波及している可能性があり、悪化してしまうと気道を狭めることまであります。
親知らずの痛みの原因
原因は汚れが溜まることで歯ぐきに炎症が起こる、または親知らず自体が虫歯によって痛む場合です。
生える方向が重要です。顎の発達がしっかりしており、まっすぐ生えてきた場合、痛みは出にくいです。問題は斜めに生えてしまったり、歯ぐきが一部被ってしまっている場合です。歯ぐきに隠れている部分は汚れが溜まりやすく炎症を引き起こすため痛みが出やすいです。
親知らずによる症状
- 腫れ
- 痛み
親知らずと歯並び

親知らずと歯並びの関係性について
斜めや横へ向いて生えている方は歯列が押されてしまい、歯の並びが崩れやすいと言われています。ただし、歯は一生を通してゆっくりと前方に移動するとされているため親知らずがなくても歯は移動します。
矯正の際の親知らず抜歯の意味
(後戻り)
矯正をする場合、親知らずを抜くケースがありますが全てではありません。動かす量と場所に応じて変わります。
全顎矯正の場合抜く可能性が高いです。
親知らずの抜歯について

抜歯すべき?
親知らずは全て抜歯すべきとの考えもありますが、残すメリットもあります。それは歯の移植に使用できる可能性があることです。機能している歯を抜かなければならない場合、抜いた場所へ親知らずを移植できることがあります。
親知らずのサイズや根の形態によって移植ができるか判断します。
当院は親知らずが悪さをしているかどうかによって抜く基準を決めています。定期的なメンテナンスとレントゲン撮影を行うことで親知らずの状態をチェックします。
親知らずを抜歯する際の
医院の選び方
患者さんが歯科医院を選択する
基準
口腔外科に特化した歯科医師が常勤している医院がおすすめです。
抜歯後の腫れについて
通常どの程度腫れますか?
酷い方はおたふくかぜくらい腫れます。
腫れる期間はどのくらいですか?
2〜3日がピークです。1、2週間ほどで落ち着いてきます。
親知らずを
抜歯する際の流れ

切開
親知らずの位置に応じて切開の設計を変えます。状況によっては切開しない場合もあります。
剥離
親知らずが見えるように切開した弁を翻転します。
歯冠周囲の骨削合と歯冠分割
歯の頭部分を取り出していきます。
歯根分割、歯根抜去
状況に応じて根っこを分割し、とります。
親知らずが見えるように切開した弁を翻転します。
洗浄、縫合
抜いた穴を洗浄し、縫合します。
歯の移植について

歯の移植とは
歯も移植できる場合があります。
抜歯をしなければならない時、機能していない歯(多くは親知らず)のサイズ・根の形態などの条件が良ければ移植ができます。ただし、人工歯根であるインプラントに比べ天然の歯はサイズが大きいため適応症が限られます。
歯の移植の成功率
5年生存率は60〜70%程といわれています。移植する歯が健康で形態が先細りであること、また年齢が低いほど成功率は上がります。条件がよくない場合はインプラントの方が確実性が高く優位性があります。
治療方法
抜くと同時に移植する方法(即時型移植)
抜く歯の感染が弱い場合に行います。外科処置が1回で済みます。
抜いた後2〜4週間後に移植する方法
(遅延型移植)
抜く歯の感染が強い場合に行います。外科処置が2回必要になります。
治療の流れ
抜く歯と移植歯の精査
CT撮影を含めた精査を行い、移植が可能か、治療法の選択をします。

抜歯と移植
抜くべき歯を抜歯した後、移植する歯を一度抜き、移植後固定します。

抜糸
1週間後に抜糸を行います。

根管治療開始
2週間後から根管治療をスタートします。

固定除去
1〜2ヶ月ほどで固定を解除します。

かぶせの作成
周りの組織が安定したことを確認したらかぶせを作成します。

メンテナンス
歯の移植は不確定要素が多く、確実性の高い治療ではありません。しかし、天然の機能していないご自身の歯を利用できる恩恵はとても大きいと思っています。 リスクとして外科的侵襲性が高くなること、長期安定と確実性はインプラントの方が良いことなど利点・欠点をよくお話しし、十分な相談の上で行うべき治療方法です。
